猛暑の夏が終わって、季節は秋を迎えました。2025年のツーリングシーズンの最後の締めに、秋を楽しむ、ロングツーリングに出かけてみませんか。
そこで、秋のツーリングにおすすめの「秋を感じる」コースを、ツーリングマップル 各エリア取材担当者から紹介していただきます。
今回は東北の「2025秋のおすすめルート」1泊2日編です。
※紹介したルートについて、場所によっては冬期閉鎖の場合もあります。また、積雪や路面凍結の可能性がありますので、天気や交通の情報は事前に最新情報をご確認ください。
著・賀曽利隆
Route!掲載日:2025年10月29日
「東北を大縦断、温泉と紅葉を楽しみながら青森~福島を行く」ツーリングコース

東北の秋のすばらしさは「紅葉」に尽きます。東北の紅葉は日本一といっていいでしょう。そんな紅葉を見ながら青森から白河へ、1泊2日の東北縦断コースを5つのステージに分けて、紹介しましょう。




コース概要
START:JR青森駅
➡ツーリングマップル東北 P.94 E-2
GOAL:JR白河駅
➡ツーリングマップル東北 P.8 M-5
青森からは国道103号で八甲田から奥入瀬渓流、十和田湖を通り、発荷峠を越えます。ここまでが第1ステージ。つづいて第2ステージの八幡平アスピーテライン、第3ステージの鳴子峡、第4ステージの蔵王エコーライン、第5ステージの磐梯吾妻スカイライン編が続き、白河がゴールです。



1.青森から、八甲田(はっこうだ)・奥入瀬(おいらせ)・十和田湖(とわだこ)へ
「八甲田・十和田ゴールドライン」の国道103号は日本一の紅葉ライン。青森から一気に「八甲田」に向かって登っていくと、「萱野高原(かやのこうげん)」(ツーリングマップル東北 P.94 G-5)からは八甲田山の主峰群を一望する。


紅葉したブナ林の中を走り、八甲田の名湯、「酸ヶ湯温泉(すかゆおんせん)」(ツーリングマップル東北 P.94 H-7)を過ぎると、北八甲田と南八甲田を分ける「傘松峠」(ツーリングマップル東北 P.89 I-1)に到達する。傘松峠を下るとすぐに「睡蓮沼」(ツーリングマップル東北 P.89 I-1)。ここは八甲田を見るのには絶好のポイント。八甲田最高峰の大岳(標高1585m)がよく見える。




十和田市焼山(やけやま)で国道102号と合流すると、国道103号は「十和田湖おいらせライン」と名前を変え、日本一の渓流美の奥入瀬渓流に沿って走る。奥入瀬渓流で最大の「銚子大滝」(ツーリングマップル東北 P.89 K-5)はひときわ輝いている。
奥入瀬渓流を抜け出ると「十和田湖」。遊覧船の出る岸壁から綺麗な紅葉が見られる。国道103号は国道102号と分かれると、「十和田道」と名前を変え、十和田湖畔を走る。中山半島付け根の「休屋(やすみや)」は十和田観光の拠点。何軒ものレストランや土産物店がある。「乙女の像」や「十和田神社」もここにある。



秋田県に入ると「発荷峠(はっかとうげ)」(ツーリングマップル東北 P.84 H-1)を越える。峠の展望台からの眺めは最高。国道104号との合流地点を過ぎたところには「止滝(とまりたき)」(ツーリングマップル東北 P.84 I-2)があるが、ここの紅葉は見事だ。そして、大湯温泉を過ぎると、東北道の十和田ICに到着だ。




2.八幡平(はちまんたい)アスピーテライン
紅葉ラインの八幡平アスピーテラインを走ると、移り変わっていく風景の変化を見られる。東北道の鹿角八幡平ICを出発点にし、国道341号に入ると、まだ沿道は一面の緑。それが八幡平アスピーテラインを登るにつれて、赤や黄に色づき始め、やがてまばゆいばかりの紅葉地帯に変わる。


「後生掛温泉(ごしょうがけおんせん)」(ツーリングマップル東北 P.79 G-7)を過ぎると紅葉は終わり、岩手県境の「見返峠(みかえりとうげ)」に到達すると冬枯れの風景。岩手県側を下っていくと同じような冬枯れ→紅葉→緑といった変化が見られる。




八幡平アスピーテラインから東北道の西根ICを目指すが、岩手山パノラマラインを経由して、「岩手山の焼走り(やけはしり)」(ツーリングマップル東北 P.74 B-3)を見にいくのがおすすめだ。
※八幡平アスピーテライン、八幡平樹海ライン(県道318号)は10月17日から夜間通行止。11月4日午後5時から冬期閉鎖
※八幡平樹海ライン(県道318号)の藤七温泉下~松川温泉上の区間は現在通行止

3.鳴子峡(なるこきょう)
東北道の古川ICから国道47号で「鳴子温泉(なるこおんせん)」へ。鳴子温泉を過ぎると登り坂が続き、東北の紅葉の名所、「鳴子峡」(ツーリングマップル東北 P.46 C-4)に到着。まずは「鳴子峡レストハウス」で案内板を見て、鳴子峡の全体像を頭に入れる。深い谷は一面の紅葉。赤や黄色が色鮮やかだ。



この深い谷をJR陸羽東線が通っている。深い谷の向こう側には国道47号の橋梁も見える。鳴子峡から国道47号は「中山峠」を越える。県境の峠上には芭蕉の『奥の細道』ゆかりの「旧有路家住宅 封人の家(きゅうありじけじゅうたくほうじんのいえ)」(ツーリングマップル東北 P.46 A-4)があり、見学ができる。
山形県側を下っていくと「瀬見温泉」を通って新庄へ。新庄ICで東北中央道に入り、山形上山ICで降りれば第4ステージの蔵王エコーラインだ。



4.蔵王エコーライン(ざおうえこーらいん)
東北屈指の紅葉ラインの「蔵王エコーライン」には東北中央道の山形上山ICから国道13号、県道12号で入っていく。山形・宮城県境の刈田(かった)峠(標高1585m)を間において、高低差があるので、紅葉を長い期間、見られるのが良い。



その中でも山形県側では「坊平高原(ぼうだいらいこうげん)」、宮城県側では「駒草平(こまくさだいら)」と「不動滝」(ツーリングマップル東北 P.29 J-2)、そして「三階の滝」(ツーリングマップル東北 P.29 J-2)の周辺の紅葉が見事。蔵王のシンボル、「御釜」(ツーリングマップル東北 P.29 H-1)の紅葉も見事だ。
国道457号の青根温泉から、秘湯の峩々温泉(ががおんせん)に行く途中には紅葉台がある。宮城県側へ下っていくと遠刈田温泉(とおがったおんせん)に出る。そこから東北道の白石ICまでは県道12号がメインルートだが、国道457号で行くのも面白い。
※蔵王エコーライン、蔵王ハイラインは10月14日から夜間通行止。11月4日午後5時から冬期閉鎖


5.磐梯吾妻(ばんだいあづま)スカイライン
東北道の福島西ICから、奥羽三高湯のひとつ、「高湯温泉」から「磐梯吾妻スカイライン」に入って行くと、いきなり見事な紅葉を見る。さすが東北屈指の紅葉ライン、磐梯吾妻スカイラインのことだけはある。
絶景ポイントのつばくろ谷にかかる「不動沢橋」(ツーリングマップル東北 P.24 C-6)からも、すばらしい紅葉が見られる。橋の向こうの、福島市街地の「信夫山」や阿武隈山地の「霊山」も紅葉している。



標高1622メートルの磐梯吾妻スカイラインの最高点に近づくとあたり一面、冬枯れの風景に変わる。土湯峠から国道115号で福島西ICに下り、そこから東北道で白河ICへ。白河駅前をゴールにする「東北縦断」。青森駅前から811キロだ。
※磐梯吾妻スカイラインは11月4日から夜間通行止。11月14日から冬期閉鎖


6.東北縦断食べ歩き
食べ歩きは旅の大きな楽しみ。とくに郷土料理などは「食」を通してそれぞれの風土を知ることができる。ということで「東北縦断ルート」沿いの食べ物を紹介しよう。




十和田湖畔、休屋「十和田食堂」(ツーリングマップル東北 P.89 I-7)の「ひめます塩焼き定食」。十和田湖のヒメマスは有名だが、もともとそこに生息していた魚ではない。和井内貞行が北海道・支笏湖のヒメマスの卵をふ化させて、稚魚を放流し、明治後期になって養殖に成功したものなのである。ヒメマスはベニザケの陸封魚。3年で20センチくらいになったものが一番美味だという。刺身で食べたり、フライにしたり、アルミホイルの包み焼きなどにもするが、なんといってもヒメマスを含めた川魚の食べ方で一番うまいのは塩焼きだ

「きりたんぽ鍋」は秋田県の郷土料理の中では知名度ナンバーワン。温泉宿に泊まると、夕餉の膳には、よく「きりたんぽ鍋」が出るし、道の駅や食堂・レストランで食べられる。「きりたんぽ」は硬めに炊いた粳米の飯をすりこぎで粘りがでるまでつき、秋田杉の丸串に巻きつけ、それをこんがりと焼きあげたもの。もともとは熊猟をするマタギたちの携行食だった。そのきりたんぽと、鶏肉、山菜、野菜類、糸こんにゃくなどを入れた鍋料理がきりたんぽ鍋だ

「ひっつみ汁」 。「ひっつみ」とは小麦粉をこねて薄く延ばした生地を手でちぎったもの。そば粉からつくる「そばひっつみ」もある。それを野菜と一緒に煮込んだものが岩手県の郷土料理の「ひっつみ汁」

花巻の宮沢賢治記念館にある食事処「Wildcat House 山猫軒」(ツーリングマップル東北 P.63 E-5)の「イーハトーブ定食」にはすいとん(ひっつみ汁)が入っている。「山猫軒」は宮沢賢治の「注文の多い料理店」に登場する洋風レストラン。「イーハトーブ」は宮沢賢治の造語で、理想郷を意味している




「いも煮」は山形県の郷土料理。「いも」というのはサトイモのこと。ジャガイモにしてもサツマイモにしても日本に伝わったのは江戸時代前期のことだが、それ以前の日本でイモといえばサトイモなので、行事食には深くかかわっている。山形県での秋の楽しみといえば、河原で開くいも煮の大鍋を囲む野外パーティーの「いも煮会」。川原で石を集め、かまどをつくり、火を起こし、鍋をかける。その中にサトイモやこんにゃくなどを入れ、醤油などで味を整え、最後に牛肉のうす切りを入れたものが「いも煮」だ

「ソースかつ丼」は福島県のソウルフード。会津を中心にして、県内の各地で食べられる。ソース味のかつ丼で、写真は「岳温泉」の「成駒食堂」(ツーリングマップル東北 P.19 E-4)のもの。会津若松の国道49号沿いの「十文字屋」(ツーリングマップル東北 P.18 E-6)の「磐梯かつ丼」などはものすごいボリュームで食べきれないほどだ

「白河ラーメン」といえば「喜多方ラーメン」、「郡山ブラック」と並ぶ福島県の三大ラーメン。手もみの中太麺と濃い目の醤油ベースのスープが特徴。写真は南湖近くの「秀佳亭」のものだが、白河市内には何軒もの店がある
7.宿泊情報
「青森→白河」間の東北縦断ルート沿いのカソリお薦めの温泉宿を紹介しよう。5湯のうち4湯には混浴の浴場がある。東北の混浴文化は健在だ。
【酸ヶ湯温泉「酸ヶ湯温泉旅館」】 八甲田大岳の中腹にある一軒宿の温泉。混浴大浴場の「ヒバ千人風呂」が有名。ここは古くからの湯治場で、国民保養温泉の第1号。
ツーリングマップル➡東北 P.94 H-7

【松川温泉「松川荘」】
岩手山の西、松川渓谷沿いにある温泉で、地熱発電所もある。2軒の宿があるが、「松川荘」はお薦め。混浴露天風呂の湯は白濁色で女性でも入りやすい。
ツーリングマップル➡東北 P.73 J-3


【轟温泉「とどろき旅館」】 荒雄川沿いの一軒宿の温泉。大露天風呂は混浴。秋だと夕餉の膳にはふんだんに地元産のキノコが出る。
ツーリングマップル➡東北 P.46 B-2


【高湯温泉「旅館玉子湯」】
高湯温泉は奥羽三高湯。磐梯吾妻スカイラインの北入口にある。「旅館玉子湯」の茅葺の湯小屋は古風。河原には木枠の大露天風呂がある。
ツーリングマップル➡東北 P.24 D-6


【幕川温泉「水戸屋旅館」】
幕川温泉は磐梯吾妻スカイライン南入口の土湯峠から入っていく。2軒の温泉宿があるが、お薦めは「水戸屋旅館」。展望露天風呂と渓流露天風呂※、2つの露天風呂は混浴。
※渓流露天風呂は現在利用不可
ツーリングマップル➡東北 P.19(関東甲信越 P.104) B-2


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この記事では「ツーリングマップル」協力のもと、モトメガネ編集部で記事を再編集。今後もさまざまなバイク情報を取り上げていきます。







