バイクシーズンもいよいよスタート。今年のロングツーリングはどこへ行こうか?なんて計画を立て始めてるライダーも多いのではないでしょうか。北海道?九州?それとも四国?日本には素晴らしいツーリングスポットがたくさんあります。でもバイクツーリングの魅力は、何もバイクで走ることだけではありません。その土地の空気に触れ、美味しいものを食べて、その土地ゆかりのアイテムをゲットして……まさにツーリングの醍醐味ですよね。
モトメガネではこれまで岡山県の児島ジーンズのアイテムを数多くご紹介してきましたが、児島ジーンズの本拠地となる岡山県倉敷市の児島ジーンズ本店は、ツーリングライダーも大歓迎とのこと! ということで、今回は児島地区の観光スポット「児島ジーンズストリート」と「児島ジーンズ本店」を訪ねてきたので、ツーリングガイドも兼ねてご紹介していきましょう。
日本屈指のデニムの街、児島。街中にはあちこちにジーンズが!
古くから繊維・衣類業で発展してきた岡山県。中でも倉敷市の児島地区は昭和の時代からデニム産業が発展し、いまでは児島ジーンズを筆頭に、国産デニムブランドの生産拠点として知られています。その卓越した技術は、日本のみならず世界のファッションブランドも注目するほど。児島生まれのデニムはいまや世界規模ブランドなのです。岡山市から南へ1時間、瀬戸内海に面する児島地区は、瀬戸内エリアの重工業地帯としても知られています。そして街の中心に位置するJR瀬戸大橋線の児島駅は、四国への玄関口としても知られた駅です。
こちらはメインの出入り口となる児島駅の西出口です。駅舎のコンコースには大きな屋根のついた歩道が設けられており、そこには「ジーンズの聖地・児島」の看板がドーン!と掲げられています。おっと、何やらジーンズらしきものがぶら下がっていますね。
駅舎側から見るとこんな感じ。屋根の骨組みからぶら下がっているジーンズ。最初はジーンズ型のオブジェかな?と思っていたのですが、よく見るとホンモノ! ここには児島を拠点に活動するデニムブランドのホンモノのジーンズが吊るされているのです!
ジーンズ好きとして、やっぱりどんなものがぶら下がっているのかは気になるもの。ひとり上を見上げながら1本1本のジーンズを確認している光景はちょっと怪しい感じだったかもしれませんが(笑)、それぞれのブランドが個性のあるジーンズを生産していることがひとめでわかります。もちろん、児島ジーンズのアイテムも確認! 筆者はすべて確認しましたが、これから行く人のために詳細は伏せておきます。実際に児島ジーンズのアイテムが何本ぶら下がっているのかは、ぜひ現地で確かめてみてくださいね。
いざ、児島ジーンズストリートへ。
児島駅西出口を出てから徒歩で10分足らず。GoogleMapにも記載のある「児島ジーンズストリート」が見えてきました。古くからの商店街を利用した「児島ジーンズストリート」の入り口には、写真のように大きなジーンズの看板が設置してあり、迷うことはないでしょう。
今回、筆者もバイクで行こうと思っていたのですが、残念ながら訪問日前に近畿エリアで積雪が観測されたこともあり、バイクでの児島行きを断念、新幹線で児島へ向かいました。そうそう、東日本と西日本をバイクで行き来するときって、名神高速や新名神高速の山越えが肝になるんです。特に奈良や滋賀の山間部は山あいであったり標高の高さも影響して、冬場は降雪に絡むチェーン規制もあります。また、関ヶ原近辺は夏場には局所的に大雨が降りやすいポイントでもあることは、全国を走り回るライダーならご存じでしょう。
こちらが児島ジーンズストリートの地図。ストリートのあちこちにジーンズショップを記載した地図が掲示してあるので、お目当てのお店にも迷わず行けます。
もちろん現地まで車で来ても大丈夫。ジーンズストリート専用駐車場も完備しています。では早速児島ジーンズへ……と児島ジーンズストリートの地図を確認しながら歩き出したその瞬間、いきなり本店登場!
ここが児島ジーンズの本拠地、「児島ジーンズ本店」です。じつは、本店があるのは児島ジーンズストリートに入ってすぐの超好立地。絶対に迷うことはないでしょう。そして何より嬉しいのが、児島ジーンズ本店はバイクでの来店もOK!お店に来たら、写真にある大きなジーンズのオブジェの前に駐車させてくれるのです。これはとってもありがたい!
お店をじっくり見る前に、まずは児島ジーンズストリートを散策
今回は取材として児島ジーンズ本店を訪ねた筆者。児島駅に着いたのはちょうどお昼前で、店内は平日にも関わらず観光客でいっぱい! ということで、先に児島ジーンズストリートを散策してみることにしました。30店近いデニムショップが軒を連ねる児島ジーンズストリート。あちこちに「デニムの街」を感じさせるオブジェや看板が置かれています。上の写真はジーンズストリートの中心部にある休憩エリア。
屋根付きのベンチの隣には、デニムのグラフィックをあしらったトイレも設置されています。ここはフォトスポットとしても人気のようで、記念写真を撮る観光客の姿も。
ジーンズストリートにはあちこちにジーンズが吊るしてあります。ショップの多くは古い店舗をリノベしたスタイリッシュな佇まい。デニム好きの方ならぜひいろんなお店を回ってみましょう。
右の写真はジーンズストリート沿いに位置する岡山県の指定史跡「野崎家旧宅」。「野崎家旧宅」は、江戸後期に大規模な塩田を営み、財をなした野﨑武左衛門が建てた民家と蔵で、国の重要文化財にも指定されています。古くから「伯方の塩(愛媛県)」など良質な塩を製造してきた瀬戸内エリア。児島地区にもそんな歴史を偲ばせる史跡が点在しているので、歴史好きにも楽しいエリアなのです。
また児島ジーンズストリートの路面には、こんな特別仕様のマンホールも。全部で4つ設置されているそうです。訪れた際にはフルコンプ目指して街を散策してみましょう。
いよいよ本丸の、児島ジーンズ本店へ!
散策を終えてふたたび児島ジーンズ本店へ。出迎えてくれたのは店長のアキラさん(左)と、「ジーンズソムリエ資格認定士」の資格を持つ、むつみさんのおふたり。この巨大オブジェはフォトスポットとしても人気のポイント。ぜひ愛車と一緒にこんな感じで写真を撮ってみては!?
児島ジーンズ本店は、児島ジーンズが直営するとあって、店内には同ブランドのアイテムがフルラインナップで販売されています。
定番から店舗限定アイテム、そして最新作とあらゆるアイテムを置く店内。ところどころビンテージの棚もあって、とても良い雰囲気です。入り口にあるパンダのようなオブジェは、児島生まれのキャラクター「Gパンだ」で、店内にはオリジナルグッズも販売中。
ご覧ください。この圧巻の品揃えを! ジーンズはもちろん、ジャケット、シャツ、カバン、ヘッドウエアまで児島ジーンズのすべてがここにある、と言っても過言ではありません。日本で児島ジーンズ本店ほどアイテムが充実している店舗は他になし。何より、実際に手に取って確認できることが嬉しいですよね。店内にはもちろん試着室も設けてあるので、気軽に試着することができます。
児島ジーンズ本店でしか見れないレアアイテム①:自立するジーンズ!?
ジーンズソムリエ資格鑑定士の資格を持つスタッフ、むつみさんが見せてくれたのは、なんと自立するジーンズ!25オンスという超ヘビーウェイトのデニム生地を使ったことで、生デニムの状態だと生地の剛性だけで自立するという……。これを穿きならすのはなかなか大変でしょうが、ジーンズ好きなら一度は穿いてみたい1本ですね。
こちらの25オンスのジーンズは児島ジーンズ本店でしか購入できない超レアアイテム! でもさすがにここまでのヘビーオンスだとサイズ選びやレングスに悩んでしまうかも……。でも心配はいりません。そんな時に頼りになるのがジーンズソムリエの資格を持つむつみさんなのです。
デニムアイテムのすべてを教えてくれるジーンズソムリエ
デニムに関する基礎知識はもちろん、歴史や紡績などの製法、さらに染めなど専門的な知識が問われ、さらには小論文試験まで課せられるという「ジーンズソムリエ資格認定士」の資格を持つむつみさん。ジーンズソムリエは児島ジーンズでもこの資格を持つのはむつみさんだけという狭き門なのです。
サイズ選びのいろはから、普段のお手入れ、さらには裾上げやリペア(本店でむつみさんだけが担当できる業務)まであらゆる相談に乗ってくれます。普段のお手入れについてはやはり質問が多いそう。
「たとえばヘビーオンスのデニムを洗濯する場合は、裏返しにしてボタンを全部しめて、デニム単体だけで洗ってください、というふうにアドバイスさせていただいています。色落ちを気にする方も多いのですが、色落ちも楽しみつつ生地の耐久性も落としたくないのであれば、3ヶ月に一度洗濯することを推奨しています。もちろん、色落ちをがっつり楽しみたいのであれば、それに応じたアドバイスもさせていだきますよ」
とのこと。またサイズ選びについてもシュリンク(縮み)がどのくらい出るのか、シャツやジャケットではどこがどう縮むのか、など専門的な質問ももちろんOK。さらにむつみさんは、裾やボタン周辺のリペアなども店頭でこなしています。上の写真の右側、「ユニオンスペシャル」と呼ばれるビンテージデニムではお馴染みの旧式ミシンを使って美しいチェーンステッチを仕上げてくれます。
上の写真は店頭で販売しているジーンズ専用のオリジナル洗剤です。この洗剤をどううまく使うか、もむつみさんに聞けばばっちり答えてくれますよ!
着こなしに迷ったら、名物店長アキラさんに聞け!
そして忘れてはならないのが、児島ジーンズ本店のフロントマンとして日々店頭に立つ、店長のアキラさん。この方をなくして本店を語ることはできません。
デニムショップの店長と聞くと、ど直球のアメカジスタイルの方を想像してしまうのですが、アキラさんはちょっと違います。
デニムのジャケットを大人っぽい着こなしで羽織り、こだわり満点のハットとベスト、シャツ、シューズを合わせる超クールな着こなし。このコーデを見れば誰でも、アキラさんが只者ではないことがわかるでしょう。聞けば、アキラさんは元々オーダーメイドのスーツを扱うテーラーで働いていた経験を持っているそう。
戦前のアメリカを感じさせるようなクラシックかつドレッシーな着こなしは、ワークウエアとして生まれたデニム素材の新たな可能性を感じさせるもの。直球のアメカジスタイルはもちろん、クラシックな大人の着こなしまで、あらゆるスタイルを提案してくれます。ちなみにアキラさんはスカなどジャマイカ系の音楽についても精通しているので、そういう音楽が好きな方ならさらに話が弾むはず。ちなみに店頭に佇む「アキラ」の名札がつく巨大な人形はアキラさんをモチーフにしたもの! ここももうひとつのフォトスポットとして人気。もちろん、気軽に写真撮影にも応じてくれます。
児島ジーンズ本店でしか見れないレアアイテム②:本店限定デニム&グッズ
児島ジーンズ本店でしかゲットできないアイテムは他にもあります。それが専用のレザーパッチを持つRNB-103Sです。
こちらはより印象的なタテ落ちが楽しめるスラブ糸を織り込んだ本店限定のスペシャルデニムです。
左の写真は色落ちのサンプル。こんなに濃淡が鮮やかな色落ちが楽しめるのは嬉しい限り。先ほどご紹介した25オンスデニムと並び、本店限定の人気アイテムはフラッシャーも専用デザイン。コレクター心をくすぐります。
限定アイテムはほかにも。左のガチャポンは、「Gパンだ×児島ジーンズ」のコラボアイテム。ほかにもコラボアイテムは豊富に取り揃えています。ちょっとしたお土産にもぴったりですね。
児島ジーンズのすべてを楽しめる児島ジーンズ本店はまさにデニム好きの聖地と呼べる場所でしょう。今年は児島ジーンズストリートも含めて、岡山・児島地区へツーリングに出掛けてみてはいかがですか?
児島周辺では瀬戸内海を望む絶景とタイトなワインディングを楽しめる「鷲羽山スカイライン」で思いっきり走りを満喫することもできます。また、本州と四国を結ぶ瀬戸大橋へのアクセスも良好、さらに東へ足を伸ばせば海沿いの空気を満喫できる牛窓エリア、近隣の港からは小豆島や四国へ渡るカーフェリーも充実しています。
穏やかな気候と美しい瀬戸内海、そして柑橘類や魚介類など美味しい食べ物も盛りだくさんな瀬戸内エリアをじっくり堪能するなら、児島地区を起点にあちこちへ足を伸ばすとよいでしょう。もちろん、児島ジーンズでお買い物をするのもアリ。店頭から自宅へ発送手配をすれば、荷物を増やさず旅を続けることができます。みなさんもぜひ岡山の児島ジーンズストリートを訪れてみてください。