走り慣れていないと、優先道路をすぐに見分けるのが困難な場合も少なくありません。
では、優先道路はどのように見分ければよいのでしょうか。
道路の手前に掲示された標識で見分けることができる
優先道路とは、交通整理がおこなわれていない交差点において、他の交差する道路を通行するクルマや、路面電車の進行を妨げてはならないとされる道路のことです。
普段から通い慣れた道であれば、どちらが優先道路なのかを把握していることが多いです。
しかし、初めて訪れる場所や複雑な交差点では、すぐに判断するのが難しい場合も少なくありません。
優先道路であるかどうかを見極めるには、道路標識や道路の構造に注目することが重要なポイントになるといいます。
まず、代表的なのが「優先道路標識」です。
青地に白い線で道が描かれたこの標識が掲示されている場合は、その道路が優先であることを示します。
そのほかに、「前方優先道路」と書かれた、白地に黒文字の補助標識が、交差点の手前に掲示されている場合もあるとされています。
そして、前方優先道路の補助標識は、徐行の標識と合わせて掲示されていることも少なくないようです。
これらの標識が確認できれば、一般的にその道路が優先道路である可能性が高いと考えられます。
また、標識以外にも、道路のセンターラインに注目することで判断できる場合もあるようです。
通常、優先道路には交差点内にもセンターラインが継続して引かれています。
一方、非優先道路ではセンターラインが交差点に入る直前で途切れているか、そもそもラインが存在しない場合もあるとされています。
センターラインが継続しているかどうかは、進行方向を見たときの道路の構造から判断することが可能だといいます。
こうした標識やセンターラインを見落とさないことが、安全な交差点通過のためには欠かせません。
とくに、初めて通る道や見通しの悪い交差点では、優先道路かどうかの判断が難しい場合もあるため、事前に標識や道路の形状をよく確認しながら進行することが大切です。
標識がない場合、「左方優先」の原則がポイントになる
前述のように、交差点において優先道路を見分けるためには、標識やセンターラインなどの道路構造が参考になる場合が多いとされています。
しかし、実際の道路環境ではそれらが設置されていない場合もあるようです。
とくに、住宅街や細い路地などでは、明確な標識や標示がない交差点に出くわすことも少なくありません。
このように、優先関係が判断しづらい場面においては、「左方優先」の原則を思い出すことが重要とされています。
左方優先の原則とは、交通整理がおこなわれていない交差点では、自分の進行方向に対して左側から進入してくるクルマが優先であるという考え方です。
これは、道路交通法に基づいた一般的な優先ルールとして、運転免許取得時にも教えられるものでもあります。
ただし、優先関係の有無にかかわらず、交差点では周囲の状況に応じて慎重な判断が求められます。
仮に自分が優先道路を走っていたとしても、他のクルマがその事実に気づいていない場合もあり、接触や衝突のおそれもあるとされています。
そうした事態を防ぐためにも、ドライバーは常に安全確認を徹底し、無理のない進行を心がける必要があります。
また、優先道路を通行しているクルマの進行を妨げた場合は、「優先道路通行妨害等」とみなされるおそれもあるようです。
もし優先道路通行妨害等とみなされると、普通車の場合、違反点数2点と反則金7000円が科せられるといいます。
優先関係を正しく理解し、周囲の交通に十分配慮しながら行動することが、安全運転を支える基本です。
予測のつきにくい交差点ほど、慎重な判断が求められることを念頭に置き、安全運転を心がけましょう。