「シートはないが、一人くらいなら大丈夫だろう」と、家族や友人とのドライブや旅行で、つい定員オーバーで乗車してしまった経験のある人も少なくないようです。
では、もしもこの行為が乗車人数オーバーとして取り締まられた場合、高速道路上でも降車しなければいけないのでしょうか。
乗車人数オーバーで取り締まられた時、同乗者はどうなる?

シートの数より大人数をクルマに押し込んでの移動。不便なこと以外に不都合がないように思う人もいるかもしれませんが、これはれっきとした違反行為です。
クルマの乗車定員は、道路運送車両の保安規則に基づいて定められており、普通車の乗車定員は運転者席と座席の総和が乗車定員となります。
一般的な乗車定員の例として、軽自動車は4人、コンパクトカーやセダンなどの普通車は5人、ミニバンやSUVでは5〜8人、スポーツカーは2〜4人となっています。また、クルマごとの具体的な乗車定員は車検証にも記載されています。
さらに、一般的なクルマはシートベルトを乗車定員分そなえているため、この数を確認することでも乗車定員を確認できます。
ちなみに、乗車人数を計算するとき、子どもは大人の2/3人分としてカウントされます。たとえば、4人が定員の軽自動車に大人2人と子ども3人で乗車するのは法的に問題ありません。
しかし、この場合でもシートベルトが足りなくなるなど、上述の危険が伴うため、できるだけ避けた方が無難です。
もしも乗車定員を超えた人数が乗ったクルマで移動すると、道交法第57条に違反する「定員外乗車違反」となり、普通車で違反点数1点と6000円の反則金が科されます。
そして、定員外乗車違反で警察に止められた場合、定員を超えた同乗者はその場で降車するよう指示されることが一般的です。
では、高速道路で取り締まられた場合でも、その場で降車する必要があるのでしょうか。
高速道路上は、歩行者の立ち入り自体が禁止されているため、一般道とは異なりその場で同乗者を降ろすことは極めて危険です。
警察官の判断により対応が異なるようですが、多くの場合は取り締まりをおこなった警察官が同乗者を、最寄りのサービスエリアなどの安全な場所まで移送することになります。
つまり、危険な場所で突然降ろされることは基本的にはないものの、違反者側の都合にあわせた移動手段を提供してもらえるわけではなく、その後の移動については自己責任になるというわけです。
まとめ
また、定員外乗車は違反というだけでなく、非常に危険な行為でもあります。
まず、全員がシートベルトを着用できない可能性が高いため、事故が発生した際にシートベルトをつけていない人が吹き飛びます。吹き飛んできた人に同乗者が巻き込まれれば、被害が拡大しかねません。
さらに、車両の重量バランスが崩れることでハンドリング性能が低下。重量が増えることによってブレーキ性能が悪化し、制動距離が伸びる危険性もあります。

