5月は雪で閉ざされていた北海道に、ようやくバイクシーズンが到来します。「ガレージからバイクを引っ張り出して、久しぶりにエンジンをかけた」という人も多いでしょう。草花も初夏を待ちわびたように一気に色づき始めます。滝川市の丘陵地は菜の花が咲き乱れ、あたりは黄色く染まります。バイクで訪れてほしい「 たきかわ菜の花まつり」と、周辺の見どころやグルメを紹介します。
滝川市は菜の花でかっちり!

北海道・滝川市と聞いて、「それって、どこ?」と訪ねる人は普通、「松尾ジンギスカンが有名だね」と答える人は北海道ツウ、「菜の花がきれいだよね」と知っている人はグレートグレート義太夫よりもグレート。たけし軍団に入れるかもしれません。

滝川市は約30年前からナタネ栽培が盛んになりました。国産ナタネの生産量は少なく、流通量も少ないため、国産菜種油は高価格で取引されています。2000(平成12)年を境にナタネ栽培面積を拡大。大地が黄色く染まる圧巻な光景が誕生しました。
それを目にした関係者たちは「もしかしたら富良野のラベンダーや、北竜のひまわりみたいに観光化できるんじゃね?」と思いつきました。

その勢いで「第1回菜の花フェスタin丸加」を開催。当時は単日開催のイベントで、入込客数は約1,300人ほどでしたが、その後はイベントの規模が大きくなり、2011(平成23)年に「たきかわ菜の花まつり」が開催されました。現在は一週間ほどが「菜の花ウィーク」と定められ、国内外から10万人を超える方々が観光で訪れています。
「たきかわ菜の花まつり」を楽しもう!

菜の花畑は観光資源である以前に農家の大切な農作物なので立ち入ることはできません。しかしメイン会場となる「菜の花畑会場」だけは、土日限定で立ち入ることができます。バイクや車の乗り入れが禁止されているので「道の駅たきかわ」に愛車を駐車し、そこから「菜の花バス(有料)」や、菜の花畑を周遊する「菜の花タクシー」に乗って会場に向かいます。

入場料(300円)を払い、ナタネに悪影響を与えないようシューズカバーを付けて菜の花畑に入ります。見渡す限りマッキッキで目がくらみそう。敷地内の飲食ブースを利用すれば、展望台から眺めることもできます。

菜の花畑にはピンクの扉が設置され、記念撮影したい人が人気ラーメン店並みに行列を作っていました。某テレビ番組で「どこでもドアのパクリでしょう?」と突っ込まれていましたが、関係者は「ピンクのドアです」と、しらばっくれていました。
福を呼び込む江部乙神社

ここまで来たら、「道の駅たきかわ」から徒歩約1分の江部乙神社に参拝してください。この神社の狛犬は左右で阿吽(あうん)として一対が基本になっています。「あ」と口を開けているように見えるのが「阿」で、「うん」と口を閉じているようなのが「吽」です。阿の狛犬は笑っているように見えるため「福を呼ぶ」と言われています。

狛犬には珍しく性別があり、阿はメス、吽はオス。なぜわかるのかは現地で確認してください。
ウシに食らいつく感覚「天肉」でランチ

ランチタイムはここで決まり。三蔵法師が経典を求めたのは天塾、腹ペコライダーが目指したのは、滝川駅前商店街にある「天肉(てんじゅく)」。2018年10月に「小林JAPAN」としてオープンしましたが、「個性豊かな仲間とともに、同じ目的に向かう」という意味を込めて、西遊記に登場する天竺にあやかって「天肉」に改名しました。

お肉をたっぷり食べられるステーキセットや、さまざまなお肉を味わえるランチプレート、ハンバーグやカレーなども評判ですが、肉たっぷりの「ダブルステーキサンド」をいただきました。

どんな肉を使うかは仕入れによって異なるそうで、この日は1頭の牛から1キログラムほどしか取ることができないハンギングテンダー(牛の横隔膜の一部)が使われていました。油は少ないのに、ジューシーでヘルシーでセクシー。滝川に来たら必ず食べたい逸品です。
住所:北海道滝川市栄町2丁目2-20
電話:0125-74-5711
営業時間:10:00~15:00(L.O14:00)
定休日:毎週火曜日
ルールを守って良い思い出を!

「たきかわ菜の花まつり」は、2025年5月17〜25日に開催されます。土日限定でオープンする「菜の花畑特設会場」以外の菜の花畑は立入禁止。畑のあぜ道も私有地です。愛車と菜の花の撮影は公道に短時間だけ停車するなど、ルールを守ってくださいね。

