バイクで長距離のツーリングや1泊以上の外泊を伴うプランを立てた場合、必要となる荷物をどのように携行するかが課題になることがあります。
特に、レンタルバイクを利用する場合や、到着地でバイクを離れて徒歩移動する予定がある場合には、持ち運びやすくて積載しやすい「トロリーバッグ」を選ぶとよいかもしれません。
トロリーバッグはバイクから降ろしたあとも持ち運びやすい

トロリーバッグとスーツケースの違いは素材の柔らかさ
トロリーバッグとは、キャスターと伸縮可能なハンドルが付属したバッグのことであり、硬いスーツケースとは異なりソフトタイプが主流となっています。
「コロコロ」とも呼ばれるトロリーバッグは、バイクツーリングと徒歩移動の両方に対応できる利便性を備えているため、初心者にも適した装備のひとつとして挙げられます。
「トロリー」という名称は、英語で「台車」や「手押し車」を意味する言葉であり、荷物を引いて運べることからこのように呼ばれるようになりました。
スーツケースと性質が似ていますが、どういった点で区別できるのでしょうか。
スーツケースはその構造上、全体がハードシェルで構成されることが一般的で、主に航空機やフェリーに持ち込まれます。
一方で、トロリーバッグは素材が柔らかく、荷物の出し入れがしやすい設計となっており、バイクへの積載にも適した仕様となっていることが特徴です。
特に、ソフト素材のトロリーバッグであれば荷物の形状に応じて柔軟に収納スペースを確保でき、収納性にすぐれています。
1~2泊分の荷物を荷崩れさせず持ち運べる
荷物の量が増えがちな初心者ライダーにとっても、無理なく持ち運びできる点が利点と言えます。
実際に、1泊を前提としたツーリングの場合では着替えや洗面用具に簡単な工具や雨具、シュラフやマット等のキャンプ装備を含めて、30〜40リットルの容量があるバッグを選ぶと余裕を持った収納が可能です。
さらに、トロリーバッグの中には、外装に特殊加工が施されたモデルも存在し、荷崩れの防止や滑りにくさを向上させる工夫がなされています。
走行中のバイクにおいて、バッグの荷崩れやズレは操作性や安全性に影響を及ぼすことがあるため、バッグ自体の剛性や形状は重要な要素となります。
ソフトタイプであっても、内部に仕切りやクッション素材が配置されているものであれば、荷物の保護性能が高まり、安心して使用できるはずです。
また、高速道路や山間部といった揺れや振動が大きくなりやすいルートでは、バッグの固定が甘いと荷崩れの原因となるため、適切なフィッティングは非常に重要です。
購入時にはキャスターの口径やベルトのタイプに注目

スムーズに移動するためには、口径が大きいものを選ぶ
トロリーバッグの走行性能は、一般的にキャスターの口径によって違いが出ると言われており、使用する場面に応じた使い分けが必要です。
たとえば、砂利道、草地等の不整地を通る可能性がある場合には、キャスターの直径が大きいものが推奨されます。
一般的に、75mm以上の大径キャスターであれば、段差や小石にひっかかりにくく転がしやすいとされています。
舗装路中心の使用であれば、小型キャスターでも十分な性能が発揮されますが、アウトドアを含むツーリングでは大径キャスターを用いることで安定した移動が可能になります。
バイクにトロリーバッグを固定する際には、リアシートまたはリアキャリアの上にバッグを置き、タイダウンベルトといったストラップで確実に固定することが重要です。
このとき、ストラップの取り付け位置はバッグの近くではなく、あえてバッグから少し離れたフレーム部分にかけることで張力を適切にかけることができ、バッグ全体をしっかりと押さえ込むように固定できます。
こうすることで、走行中の振動によるズレや荷崩れを防ぐことができ、安定したライディングを維持しやすくなります。
外部収納や雨天対策機能の充実したモデルを選ぶと安心
トロリーバッグの中には、アウトドアギアを差し込める「バルステープ」が装備されているモデルもあり、タープポールやテント用のロッドといったツールを外部に収納することができます。
他にも、レインカバーが付属している製品であれば、突然の雨にも対応できて荷物の濡れを防げるかもしれません。
さらに、バッグ本体に止水ファスナーや撥水加工が施されているものを選べば、より安心してツーリングを楽しめるはずです。
容量についても見た目以上に大きな収納力を持つ製品があり、マチを拡張することで60L以上に対応するモデルも見受けられます。
このようなバッグであれば、1泊2日から2泊3日程度のツーリングに必要な装備を無理なく収納でき、着替えや防寒具、日用品を必要なだけ持ち運べます。
バイクでの移動が中心となるツーリングにおいて、必要な荷物をスムーズに取り出せる設計は大きな利便性をもたらすと考えられます。
さらに、トロリーバッグの中にはショルダーベルトやバックパックストラップを内蔵しているモデルも存在し、シーンに応じて持ち方を変えられるという柔軟性も評価されているようです。
これにより、駅構内や人混みの中でも取り回しがしやすくなり、無理なく移動できます。
まとめ
トロリーバッグは、バイクから降りた後の徒歩移動や宿泊施設へのアクセスでも活躍するため、旅行の移動全体を快適にサポートしてくれるはずです。
今後ツーリングの装備を揃える際には、積載性能と携行性を兼ね備えたトロリーバッグの導入を検討するのもひとつの選択肢となるかもしれません。

